結論から言うと、月次試算表を毎月確認しているだけでは、会社は変わりません。

大切なのは、数字を見ることではなく、

「数字を見て、何を考え、何を決め、次に何をするのか」

です。

僕は、月次会議は「過去を確認する時間」ではなく、会社の未来を変えるための意思決定の時間だと考えています。

月次試算表は「ゴール」ではなく、意思決定の材料

毎月、税理士から試算表を受け取る。

売上を確認する。
利益を確認する。
前年同月と比較する。

「今月は売上が良かったですね」
「利益率が少し下がっていますね」
「経費が増えていますね」

そこで月次の打ち合わせが終わってしまう。

もちろん、数字を正確に把握することは大切です。

ただ、試算表に載っている数字は、基本的にはすべて過去の意思決定と行動の結果です。

売上1億円。
営業利益500万円。
現預金3,000万円。

数字自体を眺めても、未来は変わりません。

大切なのは、その数字を見ながら、

「では、これからどうするのか?」

を考えることです。

「売上が伸びた」で終わらず、「なぜ?」を考える

例えば、

「売上が前年同月比110%になりました」

という結果があったとします。

良かったですね、で終わってしまえば単なる報告です。

そこから、

なぜ売上が伸びたのか。

新規顧客が増えたのか。
既存顧客の単価が上がったのか。
一時的な大型案件があったのか。

その成長は来月以降も再現できるのか。

売上だけでなく粗利は増えているのか。

今の人員でさらに売上が増えても対応できるのか。

半年後にどこがボトルネックになるのか。

ここまで考えると、同じ「売上110%」という数字でも意味がまったく変わります。

数字を見る目的は、数字を説明するためではありません。

次の意思決定につなげるためです。

良い経営会議は「答え」より「問い」が違う

僕たちが月次会議で大切にしているものの一つが、質問です。

例えば、

「なぜ予算を達成できなかったのですか?」

と聞くのと、

「来月、理想の数字に近づくために何を変えられそうですか?」

と聞くのでは、経営者の思考は変わります。

税理士やコンサルタントが正解を全部教えることが、必ずしも良い支援だとは思っていません。

経営者の頭の中には、

「本当はこうしたい」
「ここが気になっている」
「まだ誰にも話していないけれど、こんなことを考えている」

というものがたくさんあります。

それを対話によって引き出し、数字とつなぎ、選択肢を整理する。

そして、経営者自身が納得して決断する。

僕たちは、そこを支援したいと思っています。

60分の会議なら、数字の確認は前半20分程度でいい

仮に月次会議が60分あるとします。

60分間ずっと試算表を説明する必要はありません。

数字の確認は、できれば前半20分程度。

その後の時間を、

「今、一番考えるべきことは何なのか」

に使いたい。

売上なのか。
利益なのか。
採用なのか。
投資なのか。
資金調達なのか。
組織なのか。
新規事業なのか。

そして最後には、

「誰が、何を、いつまでにやるのか」

まで決める。

会議で「良い話をした」で終わっても、会社は変わりません。

意思決定が変わる。
行動が変わる。
数字が変わる。
その結果、会社の未来が変わる。

ここまでつながって初めて、月次会議を行う意味があると思っています。

RICK自身も、経営しながら悩み続けています

僕たちは、経営者の皆さまに一方的に経営を教えているわけではありません。

僕たち自身も一つの会社・組織として、日々経営しています。

売上。
利益。
採用。
給与。
労働時間。
生産性。
顧客単価。
AI・DX。
組織づくり。

会社が成長すれば、また新しい課題が出てきます。

「売上を伸ばすことだけが、本当に良い成長なのか?」

「社員にもっと還元するためには何を変えるべきなのか?」

「AIによって仕事が変わる中、僕たちの価値は何なのか?」

僕たち自身も、毎月こうした問いと向き合っています。

だからこそ、机上の理論だけで経営者と向き合いたくありません。

一緒に悩み、一緒に考え、一緒に未来をつくる。

そこに価値があると思っています。

「未来を創る月次会議™」という考え方

力丸公認会計士事務所では、月次の打ち合わせを

「未来を創る月次会議™」

と呼んでいます。

試算表の報告会ではありません。

予算と実績のズレを確認する。

利益構造を見る。

キャッシュの流れを見る。

必要に応じてシミュレーションする。

数字だけでは見えない組織や人の状況も確認する。

そのうえで対話し、本当に考えるべき経営課題を特定する。

そして次の行動を決める。

月次会議を、

「報告の場」から「決断の場」へ。

これが僕たちの考え方です。

税理士は、数字を作るだけの仕事ではない

税務申告書を正確に作る。

決算書を正しく作る。

税理士として当然、とても大切な仕事です。

ただ、僕たちはそれだけで終わりたくありません。

会社の数字を最も身近で見ている専門家だからこそ、

経営者の想いを理解し、

一緒に未来を考え、

時には耳の痛いことも伝え、

大切な意思決定を支える。

僕は以前から、

「税理士は究極のサービス業」

だと思っています。

経営者は孤独です。

社員にも、家族にも、取引先にも話せないことがあります。

それでも毎日、重要な意思決定を繰り返さなければなりません。

だからこそ僕たちは、

孤独な経営者と、想いを共有する。

そんな存在でありたいと思っています。

数字を確認するための1時間から、

未来を考え、決断するための1時間へ。

月次会議が変われば、経営者の意思決定が変わる。

意思決定が変われば、会社の未来は変わっていく。

僕たちはそう信じています。

よくあるご質問

Q. 通常の月次報告とは何が違いますか?

通常の月次報告は確定した数字の説明が中心になります。未来を創る月次会議™では、数字を確認したうえで「どこに課題があるか」「何を変えるか」「次月までに何を実行するか」まで話し合います。

Q. 予算を作っていなくても月次経営会議はできますか?

可能です。ただし、理想と現実の差を確認するためにも、将来的には予算や経営計画を作ることをおすすめしています。当事務所では、経営計画・予算策定からご支援しています。

Q. 月次会議では財務以外の相談もできますか?

もちろんです。採用、組織、投資、新規事業、価格戦略など、経営課題は数字だけでは完結しません。必要に応じて財務と非財務の両面から一緒に考えます。



監修:公認会計士・税理士 力丸 宣康

新日本有限責任監査法人を経て独立。現在、力丸公認会計士事務所所長、九州有限責任監査法人理事長。上場企業グループの社外監査役等を務めながら、中小企業の税務・会計・財務・経営支援に取り組む。

「孤独な経営者と、想いを共有する。」を理念に、経営者との対話と意思決定支援を重視している。




生成された画像:未来を創るプレゼンテーション